今年のベスト5

おはようございます。

恒例の今年のマイベスト5。

BOOKS

 

5位「風よ、あらしよ」村山由佳著

明治から大正を、生きた破天荒そのものの女性、
伊藤野枝を描いた評伝小説。
この閉塞時代に、あまりに自由に生き抜いて死んだ日本人が
いたことを知れるめちゃ面白い小説。

同じ人物を描いた瀬戸内寂聴の傑作もある。

4位「本心」平野啓一郎著

「マチネーの終わり」「ある男」につづく、油が乗り切った
同時代作家、平野啓一郎の最新作。
AIによるメタバースに生きる近未来に、
亡くしたはずのバーチャルな母親と生きるとは?
これからの時代を予言するような本格小説。

3位「PACHINKO」ミンジンリー著

韓国生まれ、アメリカ育ちのアメリカ人が、描いた
日本が舞台の4世代にわたる在日韓国人の物語。
アメリカでベストセラーになって、オバマ元大統領も称賛する。
戦前から戦後にかけての壮大なファミリーヒストリーだが、
めちゃリアリティがある。在日を知ることは日本を知ることだと思う。

2位「言葉に殺される前に」高橋源一郎著

大好きな高橋さんの新刊。
ツイッターを批評的に使った経験から時代を読み解く。
否定の言葉の中で、どう寛容の社会を立ち上げるか。
またツイッターのような場でしか読めない高橋さんの
幸福論のようなものも散見されて、とても深い感動を得られる本。

1位「凍」沢木耕太郎著

ずいぶん前の本だけど、今更読んで心が震えました。
山野井泰史と妙子という特異なクライマーを
沢木耕太郎が、描いて傑作にならないわけがないと今では思う。
これ読んで、山岳系の本をたくさん読むようになりましたが、
どれも面白いですねえ!

MOVIES

 

5位「殯の森」河瀬直美監督

2007年の河瀬監督の代表作。遅ればせながら見て、ずっしりと感動。
尾野真知子の出世作。
死生観が色濃く漂うドキュメンタリータッチの映画。
ノマド同様、出演する一般人の存在感が大きい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/殯の森

4位 「1917命をかけた伝令」 サム・メンデス監督

今までで、最も過酷だった戦争と言われる第一次世界大戦の戦場が舞台。
なんとほぼ1カットで、最前線の兵士たちを生き生きと描く。
スピルバーグ監督の傑作「戦火の馬」と双璧だな。
まさに映画的体験を味わうことができるフィルム。

https://eiga.com/movie/92086/

3位「ノマドランド」クロエジャオ監督

北京生まれの女性監督。昨年のアカデミー賞作品。
車上生活をする高齢女性の映画。
フランシス・マクドーマンドの映画でもあるけど、
日本で言えば、樹木希林みたい。
現在のアメリカの姿。ドキュメンタリーでもある。

https://eiga.com/movie/93570/special/

2位「ドライブマイカー」濱口竜介監督

広島と瀬戸内海が舞台。しかしストーリー展開で、北海道へ。
原作(村上春樹)からとても良い出来の広がりのある脚本に。
日本で、これほどの才能のある監督が出て来ていることがうれしい限り。

https://dmc.bitters.co.jp

1位「素晴らしき世界」西川美和監督

刑務所の方が、外にいるより生きやすいのか。刑務所の方がましなのか。
西川美和監督のベスト作品ではないでしょうか?
人によって涙する場面は、様々だと聞きます。

https://wwws.warnerbros.co.jp/subarashikisekai/

皆さんのBest book & movieも、教えてほしい。

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